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1990年に、約20年ぶりに訪れたロシアは様変りしていた。ペレストロイカと情報公開を契機に、自由を謳歌する気運のいっぽうで、インフレと物価高で年金老人たちの生活は苦しくなるばかり。
1992年頃から通りで物乞いをよく見かけるようになった。食料品店で、「めぐんでほしい」と近づいてきた70代の女性は、「しばらくパンを買っていないから、値段も知らない。水しか飲んでいない」と訴えた。
彼女と話していると、50代後半の女性がすごい剣幕でやってきて、「ちゃんと年金をもらっているのだから、恥さらしなことをしちゃいけない」と彼女を追い払った。自分は「月1万1000ルーブルの年金をもらっている」という。
知人の地質学者夫妻は、「私の月給は2万4000ルーブル(2300円)、妻は1万8000ルーブル(1800円)で、生活は苦しい。でも、食料品店で困った様子の老人に会うと、100〜150ルーブルをめぐんでいます」といっていた。
無料食堂およびランチ宅配を始めるに先立ち、ECやモスクワ市が行なっているプロジェクトを見学・取材した。モスクワに事務所を構え、スタッフに給料を払い、食堂を開設するとなると莫大な経費がかかる。食材もスタッフも現地調達が合理的。それには信頼できるパートナーが不可欠だ(→次号に続く)。
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